花巻温泉郷の一つである台温泉に立つ「中嶋旅館」。
創業は昭和3年で、宮大工建築の木造4階建ての建物が自慢です。
源泉かけ流しの温泉は湯あたりの良い弱硫黄泉で、深いところで90cmもある天然岩風呂と、肌触りが滑らかな大理石風呂の2種類のお風呂を楽しめます。
山川の新鮮な材料を使ったお料理も満喫できます。
今回は、こちらの「中嶋旅館」に実際に宿泊した筆者が、お宿を徹底レビューします!
この記事は以下のような人におすすめ!
- 台温泉の「中嶋旅館」が良さそうだけど、実際どうなんだろうと疑問に思っている人
- 花巻温泉郷に泊まりたいけれど、宿が多すぎて、どこがいいのか悩んでいる人
- 花巻温泉郷の源泉かけ流しの宿に泊まりたいけど、どの宿がいいのか分からない人
お勧めする理由
「中嶋旅館」をお勧めする理由
- 源泉かけ流しの温泉を楽しめる(大型ホテルの多い花巻温泉郷では実は少ない!)
- 宮大工建築の純和風の建物・お部屋を楽しめる
- 食事が美味しい
- こぢんまりとした家庭的なお宿で静かに過ごせる
宿の概要
どんな宿?
画像出典:花巻観光協会(https://www.kanko-hanamaki.ne.jp/hanamaki12to/)
花巻温泉郷は、岩手県花巻市西部の「花巻12湯」と呼ばれる泉質が異なる12の温泉地で構成されています。
台温泉はその「花巻12湯」の中の一つで、硫黄泉の温泉です。
こぢんまりとした家庭的な旅館が多く、また、源泉かけ流しの温泉が多いのが特徴です。

「中嶋旅館」はそんな台温泉にある、源泉かけ流し温泉と宮大工建築の純和風の建物が自慢の宿です。
創業は昭和3年。昭和元年から3年かけて宮大工が造った建物だそう。
今では珍しい木造4階建で、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルになったとも噂されるお宿です。
アクセス
・公共交通機関利用
JR花巻駅(在来線)、JR新花巻駅(新幹線)と各温泉宿を結ぶ、宿泊者限定の無料シャトルバスが運行されています。
希望者は、宿泊する宿に事前に申し込みます。
JR新花巻駅(新幹線)の場合、バス乗り場は、西口の北側(盛岡方面)にあります。
西口を出ると正面にタクシー乗り場がありますが、その右手方向です。

バス乗り場には「無料送迎バスのりば」の看板があるのであまり迷わないはずです。
注意点は、バスが行く方向によって2台あることです。
一つは花巻市の南側にある温泉郷へ行き、もう一つは北側の温泉郷へ行きます。
台温泉へ行くには、北側の温泉郷へ行くバスに乗ります。台温泉の手前にある「花巻温泉」の宿泊者と一緒のバスです。
バスに乗る時は、宿泊施設と予約者名を運転手に告げます。
台温泉の手前にある「花巻温泉」の宿泊客は各ホテル・旅館の前で降ろしてくれます。
ですが、台温泉へは大型バスは入れないので、台温泉の宿泊客は、エリア入口のバス発着所で降ろされます。

中嶋旅館は、台温泉の一番奥にあります。
バス発着所からは約500mですが、ゆるやかな坂道になっています。
雪の時は、キャスター付きのスーツケースは汚れるので注意しましょう。
・タクシー
JR花巻駅やJR新花巻駅からタクシーを利用する場合は、宿の前まで行ってくれます。
JR花巻駅(東北本線)からは約15~20分で、料金は約3,300~4,000円です。
JR新花巻駅(東北新幹線)からは約20~25分で、料金は約4,600~5,300円です。
盛岡方面に在来線で行くなら、JR東北本線の花巻空港駅へ行った方が近いです。
私は宿から花巻空港駅までタクシーで行ったのですが、約20分、3,000円弱でした。
・路線バス
岩手県交通がバスを運行しています。
・車
東北自動車道花巻ICから約5~10分です。
宿の手前、右側に駐車場があります。
建物のつくり

木造4階建ての建物です。
最上階の4階には特別室「翁(おきな)」(和室8畳+4.5畳+縁側)が、3階にはそれより小さい特別室「宝来」(和室10畳+縁側)があります。
通常プランのお部屋は6~12畳です。


外観だけでなく館内でもいたるところで和風建築の良さを体感できます。

建物は中々複雑な造りで、突き当りかと思いきや廊下が続いていたり、思いもよらぬ場所に出たりします。


洗面所、トイレ、大浴場は昭和の面影があります。
チェックイン・チェックアウト

受付は、玄関奥の階段を上がった左手にあります。
標準的なチェックイン時間は午後4時から、チェックアウトは午前10時までです。
お部屋までは担当の仲居さんが案内してくれました。
客室
すだれのある純和風のお部屋
お部屋は、客室によって造りが異なるらしいです。
私が泊まったのは2階の道路側、「菊」という2間続きのお部屋でした。
通常プランで泊まれるお部屋です。

菊の間はこの廊下の突き当りです。

戸を開けると、座卓と座椅子がある主室があります。
夕食、朝食はこちらでいただきました。

写真奥の木戸が入口です。


主室の隣の部屋は寝室です。


部屋と部屋の間はすだれで仕切ることができます。
普段はなかなか見ることがないすだれで、「平安時代とかはこうだったのかな~」などと古き時代に思いを馳せることができます。
夜は、街灯の明かりのせいか真っ暗にならなかったので、すだれを下ろして寝ました。

すだれの上にある欄間もとても素敵で和風建築の良さを堪能できます。

服をかける押し入れは内装も凝っていました。金色のクロスが貼ってあります。

お部屋の窓は2枚窓プラス障子で、ここが東北の寒い地域であることを実感します。
ストーブとエアコンありますが、ストーブの方が暖かかったです。
写真の一番右にあるのがストーブです。大きめでパワフルでした。

トイレはお部屋と同じ階(写真上部、中央よりやや左の、黒い円が描かれたのれんがかかっているところ)、洗面所は階段を下りたところにあります。
「菊」の間はトイレからは一番遠いお部屋だったのですが、こじんまりしている旅館なのでさほど遠いとは感じませんでした。
アメニティ・備品

アメニティ類は寝室の押し入れに入っていました。
お持ち帰りもできるアメニティは、次のものが用意されていました。
- 手ぬぐいサイズのタオル
- 歯ブラシセット
- ビニールきんちゃく
- バスタオル
- ゆかた
- はんてん
- ドライヤー
化粧水や乳液などはありません。

服用の押し入れの下には次のものがありました。
- かがみ
- 小物入れ
- ティッシュ
- ベッドサイドランプ
お着き菓子・お茶セット

お着き菓子は「べっ甲せんべい」。
薄い飴細工のようなお菓子で、パリっとした食感と香りがよい、美味しいお菓子でした。
インスタントコーヒーが添えてありました。

お茶セット、電気ケトルもありました。
清潔感
部屋はよく清掃されていて、清潔感がありました。
温泉(家族風呂もあり)

宮大工建築と並ぶこのお宿のウリは何といっても温泉。
天然岩風呂と大理石風呂の2種類あります。
夜と朝で男女入れ替えでした。
24時間入浴可です。
画像出典:湯宿 中嶋旅館(http://www.nakashima-ryokan.com/)
天然岩風呂は岩盤をくり抜いたもので、一番深いところで深さ90cmだそう。
立って入ることもできます。
私が宿泊した時は、女性の時間帯は午後7時30分~午後10時30分でした。
画像出典:湯宿 中嶋旅館(http://www.nakashima-ryokan.com/)
贅沢な造りの大理石風呂は、肌触りが滑らかな浴槽で、のびのびと足を延ばして入れます。
肝心の泉質は、弱硫黄泉で、源泉かけ流しです。
とても湯あたりの良いお湯でした。
色は透明で、匂いはしませんでした。
温度はやや熱めでした。
アメニティは、シャンプー、リンス、石鹸、ボディソープ、ドライヤーが用意されていました。
この2つのお風呂のほか、家族風呂もあり、無料で利用できるそうです。
利用は一回40分、午後5時から午後10時まで。
ご希望の方は要問い合わせとのこと。
日帰り入浴もやっているそうです。
食事
山川の新鮮なお料理が自慢とのことです。
夕食、朝食ともお部屋でいただきました。
お米も美味しかったです。
夕食

夕食は、花巻の三元豚や、お刺身、カニ、カレイ(?)を揚げたもの、トマトの上にホタテが乗った洋風マリネなど。




既製品を使わず手作りの御料理を提供しているとのことで、どれも美味しかったです。
お品書きがなかったのが残念でした。
朝食

朝食は、焼き魚や湯豆腐、煮物、温泉卵、ごはんに味噌汁、お漬物などでした。
焼き魚が冷たかったのが残念でしたが、朝ごはんの量としてはちょうどよく、胃にも優しく、満足でした。
周辺観光:日帰り温泉「精華の湯」

せっかくなので、近くの日帰り温泉「精華の湯」にも行ってみるとよいです。
こちらも源泉かけ流しですが、中嶋旅館の温泉とは泉質が異なります。
「含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・硫化物泉(塩化水素型) 低張性弱アルカリ性高温泉」だそう。
毎日閉店後、お湯を入れ替えているというこだわりっぷりです。
営業時間は朝6時~夜10時、料金は480円です。
新しいのか、施設はきれいです。
100円ロッカーがあり、使用後戻ります。
フリーの飲み物はありませんが、自動販売機はあります。
お湯はやや熱め。
色は透明で、やや硫黄の匂いがします。
源泉が高温なため加水しているそうです。
そのせいか、湯あたりは中島旅館の方がよい気がしました。
とはいえ、せっかく台温泉まできたので、湯めぐりを楽しんでみることをお勧めします!
周辺観光:ちょっと足を延ばして
- 宮沢賢治童話村/宮沢賢治イーハトーブ館/宮沢賢治記念館
宮沢賢治の世界を堪能できる施設です。
中嶋旅館より車で約30分。
- 羅須地人(らすちじん)協会
1926年、農学校を退職した賢治が農民たちを集めて農業技術や農業芸術論などを講義するために設立しました。(冬季は閉鎖)
中嶋旅館より車で約20分。
- 遠野
遠野物語で有名な遠野市。
カッパ淵や伝承園、『遠野物語』の舞台「土淵山口集落」などがあります。
春は水田の水鏡、秋は黄金色の稲穂など、日本の原風景を楽しむことができます。
中嶋旅館より車で約1時間。
まとめ
「中嶋旅館」は、花巻温泉郷の中でも数少ない源泉かけ流しの温泉を楽しめるお宿です。
また、宮大工建築の純和風の建物でレトロな気分を味わえます。
ぜひ一度、泊まってみてください!